Rudolfの初日を控え、Drew Sarich(Rudolf)とUwe Kröger(Taaffe)のインタビューがKurierに掲載されています。
ウィーン初演ということで、既に出来上がっている作品とは異なり、キャンバスに絵を描いていくように、それぞれの役柄を脚本家や作曲家と打ち合わせながら創り上げていけることに対して、二人とも大いに魅力を感じているようです。
Uwe曰く、監督のDavid Leveauxは俳優にそっと囁きかけるような存在だそう。監督の言うことを聞くのではなく、感じ取って演技すると言います。Drewにとってはよく笑い、よく皆と話をする監督で、俳優達には決して「この通りに演技するように!」と矯正することはないそうです。
Rudolfの人物像についてDrewは皇太子の暗黒面、絶望や病的な側面も見せたいと言います。歴史上のRudolfについても勉強したそうですが、ミュージカルの中には歴史的事実とは直接には関係ない部分も含まれていることに留意する必要があるとも述べています。Rudolfの芸術家的な側面には大変心惹かれるそうです。「我々はガイドブックを書いているのでも、ドキュメンタリーを撮っているのでもありません」と言うUwe。「演劇は挑発的であることが許されているのです」。ウィーン生活の長いUweですが(Uweはドイツ出身です)、今更ながら、Rudolfがポップスターのように騒がれていた存在だったことを実感しているそうです。
UweはTaaffeのような、角のあるキャラクターがお好みだそう。歴史的にはTaaffeは正しいことを欲した人物で、君主制主義者で強大な警察機構を創り上げた一方、選挙や年金共済金庫制度の導入に尽力した一面もあったと説明しています。ミュージカルの中では、理想主義者のRudolfに敵対する、利口で権謀術数に長けた、冷酷な現実主義者の政治家として描かれているそうです。
作曲家Wildhornについて尋ねられたDrewは、「彼はある意味酷い人間だよ」と冗談めかしています。ポップスやロマンティックな部分、あるいはオペラ的な要素といった様々な面を持つWildhornの音楽には、バリトンから高音まで出すことが要求されますが、歌っていて楽しいそうです。UweもWildhornの楽曲は、作曲家自身が「人生よりも大きい」と言うようにどの歌も大きな作品だと評しています。その一方でDrewの感想にも同調し、「少なくとも2オクターブ以上は操れないと」と高度な要求を課されていることを認めています。
舞台美術についてのUweの印象は、造形的で非常に耽美、歴史的な要素を暗示していると同時に、現代的でもあるとのこと。後は見てのお楽しみだそうです。
spaさん、ものすごい頻度でアップされてますね、お疲れ様です!おかげ様で、自分では目にすることもなかった記事まで読むことができ、とっても参考になっています。これから見に行かれる方たちも、事前にこれらの記事に目を通されてから観劇されれば、理解もさらに深まることでしょうね!