Die Presseに、Uwe Krögerの単独インタビューが掲載されていました。
「多くの若い人達が劇場に行くとは驚きですが、同時に素晴らしいことだと思っています。私が育った時代には、考えられなかったことです」と言うUweは、観客達が物知りなことにも驚きを感じています。ElisabethでTodを演じていた頃のような若さはないものの、今の落ち着いたUweには、帝国首相Eduard Graf Taaffeの役の方がよく似合うと評されています。
「Rudolfには楽しい部分は多くはないですが、そのことが観客の気に障ることはないでしょうか?」との質問に対してUweは、ドイツの制作者が「皆が笑いたいときに悲劇的なテーマを選ぶなんて出来ますか?」とよく言うのに対し、Vereinigte Bühnen Wien(VBW、ウィーン劇場協会)ではよりドラマチックなテーマも扱っていることを、自分は肯定的に見ていると答えています。彼自身、映画や読書に単なる楽しみだけを求めることはなく、ドラマ、恋愛物、アクション物にかかわらず、良いものを見ることにしているそうです。
ドイツ・Nordrhein-Westfalen(ノルトライン・ヴェストファーレン州)出身のUweですが、Elisabeth、MOZART!、Rebecca等、ウィーンでの出演が多く続いたため、ウィーンでの生活がすっかり長くなっています。農家で育った彼は、後に父親が経営する酒屋で働きました。Hairに出演した後、ダンスの先生の推薦で、Universität der Künste(UDK、ベルリン芸術大学)に600人の応募者の中から入学を許可されました。幾つかのミュージカル出演を経て、1992年にTheater an der Wienで初演されたElisabethのTod役として大ブレイクを果たしました。RudolfではElisabethと同様、Freud(ジークムント・フロイト)やMahler(グスタフ・マーラー)が生きた時代が舞台になります。今や自身をウィーンっ子のように感じているUweは、戦争で多くが破壊されたドイツと異なり、過去が現在にそのまま生きているウィーンの街を、美術館のようだと表現しています。
Tod時代、ティーンエイジャーを熱狂させたアイドル的存在だったUweですが、彼の魅力は卓越した外見のみがもたらしたものではありません。完璧なトレーニングを受けた「マシーン」のような演技巧者が多く見られる中、Uweは技巧的な部分だけでなく良い物語の価値を信じる、より本物の役者であったのです。
再びファンについて語るUwe。コンサートやガラで一つ一つの歌を単に並べて歌うと、その後決まって歌だけでなく、物語を求めるファンからの手紙を貰うそうです。「ファンは何かを経験したいと思っているのです。主役への単なるラブレターを書きたいわけではないのですよ」。
「TaaffeはRudolfの敵対者で、悪人ですか?」という質問には反論するUweです。「Taaffeはカリスマ的な魅力ある人物で、王朝や皇帝を維持し、オーストリアの欧州での優位を守りたいと考えていました。Rudolfはその自由主義思想から、Taaffeにとっては目の上のこぶでしたが、彼を避けて通ることはできなかったのです」。
Rudolfが自殺した後、Taaffeは「問題が一つ減った」と言ったそう。Napoleonへの出演で、ドイツ人最初のWestend出演俳優となったUweは、ウィーンで長く過ごせることを喜んでいます。「2009年は私にとってはRudolfの年になります」と述べるUweでした。
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