Trierの西側を流れるMosel(モーゼル)川流域は、ドイツ有数のワインの産地。遊覧船が発着するZurlaubener Uferには、数軒のレストランが軒を並べており、夏場はテラスで川風に吹かれながら、モーゼルワインと郷土料理を楽しむことが出来ます。
Porta Nigraの3番または8番バス乗り場から乗車4分、Zurlaubener Ufer下車(1.80 EUR)。徒歩の場合は0.8 km、11分。
Zurlaubener UferからPorta Nigra方面への便は、横断歩道を渡った先のバス停から出ています。夜は30分毎の出発になるので、先に時刻表をチェックしておくのがお薦めです。
遊覧船はTrier-Bernkastelの1日往復から往復1~2時間の周遊まで、色々なコースがあります。私は1時間のKleine Rundfahrt(小遊覧コース)にしました。
乗船券は8 EUR(TrierCard提示で6 EUR)。予約無しでも余裕で乗れました。
夏場は日差しが強いので、帽子は必需品です。デッキは川風が気持ちいいのですが、陰になる席はほんのわずか。欧州人は暑い中でも平気で太陽がさんさんと降り注ぐ席に陣取っています。船上では飲物やケーキの他、軽食も提供されています。出発後、早速ウェイターのお兄さんが注文を取りに来ました。この日のお薦めメニューはGulasch(グーラーシュ)。ハンガリー風のパプリカが利いたシチューです。
ライン川下りのような古城や雄大な眺めとはいきませんが、のどかな景色が続いています。時々船長のアナウンスが入ります。
川下りのハイライトはRömerbrücke。ローマ橋という名が示すように、ドイツ最古のこの橋もPorta Nigra等と同じく古代ローマ時代の遺跡です。最初の橋は木製で、紀元前16年に都市の建設と同時に作られました。橋脚の基礎として川底に打ち込まれた木製の杭を、年輪年代測定法で調べたという話です。
現在ある石橋の橋脚部分は、紀元144年から152年にかけて建設されました。元々9本あった古代ローマ時代の支柱のうち、5本が現存しています。橋のアーチ部分は中世(1190年~1490年)になってからかけられたものです。
第二次世界大戦末期の1945年3月2日、無傷のRömerbrückeを通って米軍がTrier入りを果たしました。ドイツ軍が前もってこの橋を爆破しておかなかった理由は謎だそうです。ナチス・ドイツが連合軍に降伏したのは、2ヶ月後の5月8日のことです。
お目当てのモーゼルワインは、酸味のある青リンゴのようなさっぱりした味でした。
地元の名物料理にしようと思いつつも、頼んだのはお薦めメニューのGrüne Tagliatelle mit Pfifferlingen(アンズ茸のグリーンパスタ)。春から初夏にかけてはSpargel(ホワイトアスパラガス)、夏はPfifferlingeが季節の素材として登場します。ぬめりのないなめこのようなキノコです。
たっぷりのサラダ付き。
川岸のレストラン”Ente in Zurlauben“は、雰囲気も料理もお勧めです。
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