St. Gallenの町並み

“Der Graf von Monte Christo”観劇で訪ねたスイス・St. Gallen(ザンクト・ガレン)の町並みをご紹介します。

St. Gallen駅を出ると、トロリーバスの停留所があります。市街地へは駅を出て左寄りに直進します。

St. Gallen駅舎。

旧市街へは、駅を背にTourist Informationに向かって進みます。

市街地方向からTourist Informationを振り返ったところです。Tourist Informationの前が、市内徒歩見学ツアーの集合場所になっています。

私が参加した日は通常のツアーではなく、St. Gallenの建物とその住人の足跡を辿るコースになっていました。

St. Gallenは繊維工業で栄えた都市で、この建物には有力な商人の一家が住んでいました。

かつてGasthaus zum Roessliという宿屋だったこの建物は、クーデターにより祖国を追放されたスウェーデン国王グスタフ4世(Gustav IV、1778~1837年)が、亡くなるまでの4年間を過ごした場所です。「ベルサイユのばら」でお馴染みのフェルゼン伯爵(Hans Axel von Fersen、1755~1810年)は、グスタフ3世・4世の親子2代に仕えました。

外壁にグスタフ4世の滞在を記念するプレートがはめ込まれています。

St. Gallenの市長を務め、Ulrich Zwingli(ツヴィングリ、1484~1531年)と並んでスイスの宗教改革者として有名なVadian(本名Joachim von Watt、1484~1551年)の銅像。

Vadianの家には、今でも彼の子孫が住んでいるそうです。

St. Gallenの建物には、Erkerと呼ばれる飾り出窓が数多く見られます。豪華な出窓は、豪商達の権勢を示しています。世界を股にかけた商人達は、五大陸を現すモチーフをよく用いたそうですが、この出窓には欧州、アジア、アフリカ、アメリカの四大陸のモチーフしか見られません。オーストラリアが欧州世界に紹介されたのは、この建物が出来た後だったからだそうです。

街で一番狭い通りは、工事中で通行止めでした(2009年10月時点)。

公衆浴場として使われていた建物は、現在ではワイン酒場になっています。

St. Gallenを創立した守護聖人Gallusは、アイルランド出身の伝道師でした。ある夜、焚き火の前で寝ずの番をしていたGallusの前に、熊が現れました。向かってきた熊を恐れることなく、Gallusは熊に薪を火にくべるように命じました。彼の言葉に従って薪を運んだ熊に、Gallusがパンを与え、二度とここに現れないようにと伝えたところ、その後再び熊の姿が見られることはなかったそうです。St. Gallenの市章には、この伝説の熊がモチーフとして用いられています。

後期バロック様式のKathedrale(大聖堂)は、1755年から1767年にかけて建設されました。Stiftsbibliothek(修道院図書館)等を含む修道院地区全体は、1983年に世界遺産に指定されました。

非常に豪華な装飾が施された祭壇です。

天井画。

ガイドさんの説明によると、天井画の中央に描かれている人物は、ローマ教皇グレゴリウス1世(Gregorius I、540年?~604年)だそうです。写真がない時代、誰もグレゴリウスの顔を知らなかったので、St. Gallenの司教の顔をモデルに描かれたそうです。

この大聖堂、通常は祭壇と反対側の突き当たりにあるはずの正面玄関が、祭壇に向かって左手にあります。

昔、教会と都市との間に起こった対立のため、街に面した側に扉を設けることが出来なかったそうです。

Stiftsbibliothek(修道院図書館、入場料10 CHF)は、ガイドツアーには含まれていませんでした。貴重な本や資料が、豪華な内装の書庫に収められています。床を傷めないように、靴の上から巨大な灰色のフェルトのスリッパを履くことになっています。また荷物もロッカー(無料)に預けなければなりません。写真撮影禁止だったので、入り口だけお目にかけます。なお入場料はユーロ払いも可能です。

ツアーの最後に、修道院内の現役の司教達が住む区画と、その中にある小さな礼拝堂を訪ねました。

本物の司教様が、部屋や礼拝堂の説明をしてくれました。豪華な内装の広間や階段の踊り場の壁に掛けられている肖像画が、全て僧服姿なのが面白かったです。百人一首で坊主の札ばかりが並んでいるところを想像してみて下さいませ(^O^)。

緑色の尖塔が2つついている中央の建物は、旧市街の中にあるTourist Information。といってもメインはカフェで、スタッフも兼任です。ここのスタッフで分からない観光情報が知りたい場合は、駅前のTourist Informationとの無料ホットラインで質問可能だそうです。フレンドリーな女性が対応してくれました。

大聖堂外観、祭壇側から見たところです。

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