“Tanz der Vampire”と掛け持ちでLukas Permanが出演している”My Fair Lady”を見てきました。
チケットはVolksoperの公式サイトで、Standby-Ticketsのシステムを利用して購入しました。通常は公演月の前月1日からチケット販売が開始されますが、販売開始日以前にユーザー登録をして希望の値段や枚数等を入力しておくと、ウェイティングリストに載り、販売が開始された時点で販売可能な席が希望者に振り分けられます。必ず入手出来ることが保証されているわけではないのですが、予約時にカテゴリー別の申込者数が分かるので、競争率が低そうなカテゴリーを狙ってスタンバイをかけておくと、入手しやすいかもしれません。お手頃価格の席にはやはり多くの希望者がいましたが、高い席は競争率が低かったようで、販売開始日にチケット確保のメールが届きました。
ウィーンには何回も足を運んでいますが、Volksoperは初めて。Raimund Theaterと同じU6沿いにあることも分かっていませんでした(笑)。最寄り駅はWähringer Straße-Volksoper。
同じ電車にめかし込んだ小学校高学年らしき子供達が大勢乗っていました。ぶかぶかのスーツを着ている男の子やノースリーブのワンピースを着た女の子達が、わいわいと歩いていく後をついていくと、すぐに劇場が見えてきました。学校の芸術鑑賞会がVolksoperとは、さすがウィーン。”Tanz der Vampire”にも中学生か高校生らしい集団が先生と来ていました。
2010年4月30日(金)19:00
My Fair Lady
Eliza Doolittle: Katharina Straßer
Henry Higgins: Herbert Föttinger
Oberst Pickering: Josef Luftensteiner
Alfred P. Doolittle: Robert Meyer
Mrs. Higgins: Louise Martini
Mrs. Pearce: Guggi Löwinger
Freddy Eynsford-Hill: Lukas Perman
Mrs. Eynsford-Hill: Regula Rosin
Harry: Jaroslaw Jadczak
Jamie: Joseph Prammer
Butler: Hermann Lehr
Mrs. Higgins’ Zofe: Manuela Culka
Erster Obsthändler: Frederick Greene
Zweiter Obsthändler: David Busch
Dritter Obsthändler: Heinz Fitzka
Vierter Obsthändler: Raimund-Maria Natiesta
Erste Zofe: Heike Dörfler
Zweite Zofe: Christiane Costisella
Erster Diener: Thomas Tischler
Zweiter Diener: Christoph Velisek
Dienerin: Elisabeth Musger
Blumenmädchen: Klaudia Nagy
席はセンターブロックやや左寄り5列目、80 EUR。オーケストラピットの奥行きがあるので、舞台と客席はかなり離れています。席は綺麗な千鳥配列になっているので、非常に良く見えました。席に案内してくれた係員は、上品な感じのおじさま。文庫本サイズのパンフレット(2.80 EUR)を買うと、「後ろに日本語の粗筋が載ってますよ」と教えてくれました。英語、フランス語、イタリア語、スペイン語も載っていたのはさすがです。表紙はメインキャスト勢揃いの写真、中にも各場面のカラー写真が満載でお買い得でした。Lukasの写真は3枚載っていました。
あまりにも有名な”My Fair Lady”ですが、実は映画も舞台も見たことがなく、話もおおざっぱにしか知らなかったので、始まってすぐに「しまった!」と思いました。私のドイツ語力では、下町訛りは理解不能(苦笑)。大体の流れは分かったものの、幕間に慌てて日本語の粗筋を読みました。
Eliza(イライザ)役のKatharina Straßerは、大きな口と笑顔が印象的な、とても明るくてチャーミングな女優さん。ぽちゃっとしていて、いわゆる美人タイプではないですが、内面から滲み出る愛嬌に非常に惹きつけられました。Lukasが演じていた金持ちのお坊ちゃまFreddyが、家まで押しかけた気持ちがちょっと分かったような気がしました(笑)。弱冠24歳でVolksoperの舞台に主役として立った彼女は、2007年にウィーン市主催のNestroy-Theaterpreisで、若手俳優を対象にしたBester Nachwuchs部門を受賞した注目株だそうです。
Henry Higgins(ヒギンズ教授)のHerbert Föttingerはロマンスグレーのしぶいおじさま。良く通るいい声の持ち主で、演技も上手く、Elizaに段々惹かれていく自身に戸惑う様子がなかなかキュートでした。ウィーンの50歳以下の舞台人に5年毎に贈られるWiener Schauspielerringを1998年に受賞しており、1999年には”Kommissar Rex”に出演しています。
Lukasが演じたFreddyは、外見は日本で出た『ファントム』のシャンドン伯爵、中身はAlfredを思わせるお人好しのボンボンでした。マイクはつけていましたが、Volksoperではあまり増幅していないのか、普段舞台で聴くLukasの声よりも小さく聞こえ、また発声方法も変えていたような気がしました。声の通りの良さという点では、他のキャストよりもやや落ちていた感じ。これは舞台俳優とミュージカル俳優の違いでしょうか?
Elizaの父親Alfred P. Doolittleを演じていたRobert Meyerは、何とVolksoperのディレクターでした! パンフの表紙写真で、教授より手前の明らかに目立った位置に写っているのは、そのせいだったのかも!?
舞台装置は全体的に細部まで作り込まれた感じがありました。壁一面本で埋め尽くされた、クラシカルで重厚な雰囲気の教授の書斎が印象的でした。衣装は古き良き英国を感じさせる落ち着いた色調。競馬場の場面に登場した女性達のドレスが、色合いといいデザインといい、上品な英国調でとても素敵でした。Elizaのフリルがたっぷり載ったボリューム感がある白く大きな帽子は、縁に入った焦茶のストライプがお洒落。黒いテープで縁取られた、白の前あきのコートは、ボタンが裾までずらっと並んでいて、一番上だけ留められていました。コートの下には、赤の縦ストライプが入ったベストと、白いレースのドレスが見えていて、ドレスの裾に近い部分には、ベストと同じ赤いストライプ柄のリボンがついています。Freddy(Lukas)の服装は、グレーの帯がついたクリーム色のシルクハットにグレーのフロックコート、ズボンは白地にグレーの縦ストライプ、焦茶の斜めストライプのアスコットタイ、ベストと靴はクリーム色とこれまた落ち着いたお洒落な色合いで、格好良かったです。Volksoperの公式サイトのビデオ映像に、競馬場のLukasが一瞬写っています。”My Fair Lady”の横のVideobeispielをクリックしてみて下さい。
今シーズンの上演は2010年6月13、14日で終了しますが、2011年の再演が既に発表されています。公演日は2011年4月23、30日、5月1、6、11、14、30日及び6月3、4日。キャストは未定です。
Volksoper Wien
Währinger Straße 78, 1090 Wien
Austria
Tel: +43(1) 514 44-3318
http://www.volksoper.at
My Fair Lady 羨ましいです! 一度行きたいのですが、いつもこの時期で終わり。秋なら聞けるのに~
この公演だと、Volksoper の歌手の皆さんがたくさん混じっている感じですか、それともメインはミュージカル歌手? 声楽家と比べると、Lukasはさすがに声量なく聞こえちゃうんでしょうか。聴衆もマイクバリバリよりは肉声好きな方が多そうですよね。
"My Fair Lady"のパンフには、出演者の経歴は載っていなかったのですが、Volksoperのサイトに現在上演中の演目に出ている人達をまとめてリストアップしているページがありました。"Elisabeth"でSophieを演じていたIsabel Weicken、"Romeo und Julia"のFürst役のBoris Pfeiferや"Tanz der Vampire"でMagdaをやっていたEva Maria Maroldといった、ミュージカル畑で馴染みのある名前も載っていましたが、メインはクラシック系の歌手や舞台俳優のようです。"My Fair Lady"の主役二人も、位置づけとしては西田敏行のような「歌える俳優」なのかなと思いました。
ドイツ語をしゃべると「ハンガリー語を喋っている」とからかわれるなど、ウィーン風?にローカライズしてあり楽しめました。
一番興味があった「スペインの雨は主に平原に降る」がドイツ語でああなるのか、イライザがどうこの台詞の発音を変えたのかはよくわかりませんでした。やはりドイツ語もっと勉強する必要があるようです。また一緒に頑張りましょう。
劇場がはねた後は、近くのすこしLink寄りにあるWeimerという老舗カフェで食事をして帰りましたが、食事も美味しいしピアノの生演奏もありよかったです。
spaさん、本年もよろしくお願いします。
1/5にVolksoperでMy Fair Lady観てきました。今回は一晩しかウィーンでの観劇のチャンスがなったので、3代目「エリザベト」とどちらをとるかかなり悩んだのですが、来日公演が絶対あり得ないMy Fair Lady(ドイツ語版)にしました。
私ももspaさんと同じように、矯正前のイライザやその親父さんのドイツ語は殆ど聞き取れませんでした。歌は大体わかるのですが、このミュージカルは芝居の要素が強く、台詞も多いので機関銃のようなやりとりになるとやはりお手上げでした。
今回ドイツ語版のCDは事前に聞けなかったので、ブロードウェイの英語実況版CDを何度か聞いて予習していったのですが、かなり厳しかったです。spaさんのいわれるように難易度高いミュージカルでした。同じ劇場で昨年9月に聞いたオペレッタの「こうもり」などはかなりドイツ語の台詞理解できたのですが・・
それでも、原作はイライザの親父がウィスキーで乾杯するところがシュナップスで乾杯になっていたり、下品なドイツ語をしゃべると「ハンガリー語を喋っている」とからかわれるなど、ウィーン風?にローカライズしてあり楽しめました。
一番興味があった「スペインの雨は主に平原に降る」がドイツ語でああなるのか、イライザがどうこの台詞の発音を変えたのかはよくわかりませんでした。やはりドイツ語もっと勉強する必要があるようです。また一緒に頑張りましょう。
劇場がはねた後は、近くのすこしLink寄りにあるWeimerという老舗カフェで食事をして帰りましたが、食事も美味しいしピアノの生演奏もありよかったです。
debu_chanさん、こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。
Volksoperの"My Fair Lady"、何だかとっても懐かしいです(笑)。観劇したのはもう3年近く前だったのかと懐かしく振り返っております。"Elisabeth"はまだまだやっていると思いますし、きっとご覧になる機会がありますよ! イライザは私が観たKatharina Straßerがまだ出ているのですね。それにしても"My Fair Lady"のドイツ語には悩まされました(苦笑)。何かしら予習をしていればdebu_chanさんが気がつかれたお遊びにも注目出来たでしょうに・・・。その点先日ハンブルクで観た"Rocky"は映画で予習していったので、スラングで聞き取れない部分も記憶と照らし合わせて想像出来ました。
ご紹介頂いたWeimerは24時までオープンなのですね。観劇後に行けるとは素敵です! Volksoperには結局"My Fair Lady"の一度しかまだ行っていませんが、次の機会には是非Weimerにも行ってみたいです。またウィーンでお薦めのカフェやレストランがあれば教えて下さいね!
ウィーン版ではないですが、日本のアマゾンでドイツ語版中古CD売っているのを見つけたので買ってみました。
♪The Rain in Spain♪のドイツ語訳が♪Es grünt so grün♪で、Es grünt so grün wenn Spaniens Blüten blühen! を „g“ nicht „j“, „ei“ nicht „ee“, と歌うようにヒギンズがイライザに指導するようですが、これにはどういうオチが潜んでいるのでしょうか?よくわかりません。
Cafe WeimerはVolksoperから歩いてすぐだし、おすすめですよ!
ただウィンナーシュニッツエルはBadenの例の店の方が美味しいです。
debu_chanさん、お返事が遅れてすみませんでした。„g“ nicht „j“, „ei“ nicht „ee“の部分は、Gの発音は「ゲー」であって「イェー」ではないと単純に発音指導しているのではないでしょうか?
BadenのCafe-Restaurant Batzenhäuselのシュニッツェル、また食べたくなってきました!