宝塚雪組版ロミオとジュリエット観劇記

2011年最初の観劇は、宝塚歌劇団雪組による『ロミオとジュリエット』。元々はフランス発のミュージカルですが、Wien(ウィーン)・Raimund Theaterで上演されたドイツ語版の”Romeo & Julia”が初見だったので、私の中ではすっかりドイツ語圏ミュージカルの一員となっている作品です。2010年7月の星組による本邦初演がとても良かったので、異なるキャストでの再演も見ることにしました。星組公演の観劇記はこちら

舞台装置や衣装は細かいデザインは前回と多少異なっていましたが、カラフルで豪華な雰囲気は変わりなし。出演人数が40名から73名と倍近く増え、ダンスシーンの見応えがアップしていました。新たにフィナーレが付け加わったことで本編の上演時間短縮をはかったためか、幾つかの場面で星組公演では歌っていた箇所が台詞で処理されていました。その分前回ほど歌を堪能したと思えなかったのがやや残念。またティボルトのソロ『ティボルト』はカット。「俺はティボルト~」を連発するややくどい歌でしたし、ティボルトには別のソロナンバー(『本当の俺じゃない』)があるので、これは良い変更だと思いました。

ロミオの音月桂さんは、星組の柚希礼音さん同様ビジュアルはぴったり。演技はやや荒削りな印象があったので、もう少し色気と思春期の迷いが出れば、よりロミオへの共感が深まると思いました。役替わりのジュリエットは夢華あみさん。初舞台から1年も経っていないとは思えない歌の上手さにびっくり! 前回見た夢咲ねねさんは正統派娘役の演技と歌い方だったので、私的には夢華さんの方がこのロックな作品には合っていると感じました。外見もすらっとしていて可愛く、音月さんとのバランスも良かったです。ジュリエットの初々しさと、恋を知った強さと大胆さも良く伝わってきました。マーキューシオの早霧せいなさん、思いっきり立った髪が印象的でした。髪型といえば、パリス伯爵の彩那音さんも頭の上に椎茸が載っているのかと思うような不思議な髪型でした(笑)。ベンヴォーリオの未涼亜希さんは声量があり、力強く伸びる声にびっくり。ティボルトの緒月遠麻さんは、危険な男を好演していました。歌が時折怒鳴り調子になっていたので、もう少し余裕を持って丁寧に歌って欲しかったです。乳母の沙央くらまさん、非常に男らしく力強い声だと思ったら、男役の方でした。メインキャストではないですが、「愛」のダンサー役大湖せしるさんの滑らかな動きも印象的でした。大湖さんも男役と知ってびっくり!

先にも触れた通り、宝塚大劇場での公演ということでフィナーレが新たに加わっていました。普通は男役トップと娘役トップが二人でダンスする場面があると思いますが、出ないな~と思っているうちに大階段から出演者が下りだして来てしまいました。後でプログラムを見て、音月さんの周りで舞っていた娘役二人がダブルジュリエットだったことに気がつきました(苦笑)。正式な娘役トップでないと、二人でダンスはしないということなのでしょうか? 他の公演を知らないので、ちょっと謎です。そういえば羽根を背負って出てきたのがトップだけというのも初めて見ました。

個人的には歌唱力の面では星組公演の方が満足度は高かったですが、まだ公演は始まったばかりなので、これからどんどん進化していくことでしょう。前回の感想で「間違いなく宝塚の代表作になりますよ!」と書きましたが、実際にそうなりつつあるのは嬉しい限りです。

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