2014年12月12日、中国・上海で”Elisabeth”ツアー公演が初日を迎えました(プレビューは12月9日から)。Vereinigte Bühnen Wien(VBW、ウィーン劇場協会)にとって、初めての中国でのミュージカル上演となったこの大型プロジェクト、上海の観客に熱狂的に迎えられている様子が各メディアから伝わってきています。ツアー公演のFacebookには、カーテンコールや舞台映像、舞台装置のセッティングの様子や関係者のインタビューを含む5分近いレポート動画が掲載されています。1992年初演のWienオリジナル版の演出家Harry Kupferが、79歳の高齢にもかかわらず自ら上海に赴いてリハーサルに参加している所からも、VBWにとって非常に重要なプロジェクトであることが窺い知れます。ドイツ・オーストリアツアー公演のプロモーターSemmel Concertsのサイトには、この動画ともう一つ、上海を訪れたカップルが上海観光と”Elisabeth”のバックステージを見学した後、公演を訪れるレポート動画が掲載されています。Wien版”Elisabeth”のFacebookにもツアー公演の写真がアップされています。
中国では公式にはFacebookは利用できないことになっていますが、キャスト達のFacebookには上海レポートが続々アップされています。Elisabeth役のRoberta Valentini、Der Tod役のMark Seibert、Luigi Lucheni役のKurosch Abbasiは、上海滞在を満喫しているようです。オーストリアの新聞Krone Zeitungのレポートによると、一番人気のMarkの元には、彼と写真を撮りたい女性ファンが列を成し、既にプレビュー公演の時から手作りの食べ物やリキュールが差し入れられているそうです。「アジア人特有の控えめな態度にはまだお目にかかっていませんね」とにやりとするMark、積極的な上海女子の歓迎を喜んでいるようです。奥様と共に初日に駆けつけたLevay御大も、「まさか中国で上演出来るとは思ってもいませんでしたよ」と大層御機嫌な様子を見せています。ある中国の女性ファンから、2004年にドイツ・Stuttgart(シュトゥットガルト)で自分がサインをした”Elisabeth”のパンフレットを見せられたという御大、当時彼女は「いつか中国で会うかもしれませんね」と言ったそうですが、まさか本当に実現するとは思わなかったことでしょう。”Elisabeth”の来日公演に沸いたファンの一人として、私自身このファンの方の気持ちはよく分かります!
一方でKurier紙の記事には現実的な一面も見えます。チケットがユーロ換算で10~155EUR(最上席は2万円を超えます!)と高額なため、ミュージカルに関心のある若い層が劇場に足を運ぶのは容易ではなく、経済的に余裕のあるシニア層はミュージカルよりもオペラに関心を寄せているそうで、公演会場のShanghai Culture SquareのディレクターRichard Fei氏はジレンマを感じているとのこと。プレビューと初日は早々に売り切れていましたが、2000席の劇場を1ヶ月満席にするのはそう簡単ではないでしょう。またあまりにも保守的な内容だと観客にそっぽを向かれる一方、性や暴力、宗教、政治に関する描写が多いと、政府の検閲に引っかかる恐れがあるという中国ならではの問題もあるようです。
VBWは”Elisabeth”を足がかりに中国進出に力を入れるつもりのようです。VBWの総監督Thomas Drozda氏は、Kurier紙のインタビューに対し、北京のミュージカルプロモーターUnited Asia EntertainmentとBroadway並みに8~9個の劇場を作る構想や、2016年に北京・上海・広州で”Elisabeth”のライセンス公演を計画していることを語っています。更に「2015~2016年にかけて、”MOZART!”のツアー可能なバージョンを日本・韓国・中国で計画している」と発言していますが、これは海外公演ということでしょうか? いずれにせよ、中国では”Elisabeth”に引き続き”MOZART!”のお目見えも間近なようです。日本でも絶賛上演中の”MOZART!”の初DVD化や、2015年夏の東宝版エリザベートの新キャスト発表と話題が続いています。中国のファンに負けない熱意をVBWにアピールしたいものです。
上海公演後、2015年2月から始まるドイツ・オーストリアツアー公演に、新たな開催都市としてFrankfurt(フランクフルト)とBerlin(ベルリン)が加わりました。まだ先の話ですが、2015年から2016年にかけての年末年始は”Elisabeth”と”MOZART!”を両方ドイツ語圏で見ることが出来ます。
上海公演
2014年12月9日(初日12月12日)~2015年1月11日
Shanghai Culture Square Theater
597 Middle Fuxing Road
上海文化广场
复兴中路597号
Hotline: 962388 / 64726000
http://www.shculturesquare.com/
Essen公演
2015年2月25日~3月22日
Colosseum Theater Essen
Altendorfer Str. 1
45127 Essen
Germany
Tel: +49 201-2402-0
http://www.colosseumtheater.de/
München公演
2015年3月26日~6月7日
Deutsches Theater
Schwanthalerstraße 13
80336 München
Germany
Tel: +49 89 55234444
http://www.deutsches-theater.de/
Linz公演
2015年7月7日~8月2日
Landestheater Linz
Musiktheater am Volksgarten
Am Volksgarten
14020 Linz
Austria
Tel: +43 732 76110
http://www.musiktheater-linz.at
Frankfurt公演
2015年12月16日~2016年1月3日
Alte Oper – Großer Saal
Opernplatz 1
60313 Frankfurt am Main
Germany
Tel: +49 69 13400
https://www.alteoper.de/
Berlin公演
2016年1月7日~2月14日
Admiralspalast
Friedrichstraße 101
10117 Berlin
Germany
Tel: +49 30 47997499
http://www.admiralspalast.de/
spaさま、お久しぶりです。
こんにちは。myuです。 ちゃくちゃくとエアフルト留学の事前準備を進めていて、あと2か月でドイツでMarkと再会いたします。上海でMarkに会えるファンの方々が羨ましいです…。私もMarkにお会いしたい! 上海にいるファンは現地ファンなのか、それとも日本からはるばる会いに行った方々なのか…気になりますね。
最近は先日アップロードされていた国際トレイラーを見て、気持ちを高ぶらせています。
先日日本でMozart!を見に行って、Wienの再演版もみたいなあと少し考えたのですが、時期が合わないのでダメですね…。日本にツアー版で訪れてくれることを祈ります。それかまたウィーンミュージカルコンサートを日本でやっていただきたいです。
支離滅裂になりましたが、これで失礼します。いつも素敵な情報をありがとうございます。応援しています。
myuさん、早いものでもう今年も残すところあと僅か、そしてエアフルト行きも間近に迫ってきましたね。とても素敵な町なので、是非ゆっくり散歩してみて下さい。ウォーキングツアーのガイドさんがGoldhelmというチョコレートショップがお薦めと言ってました。もう一つのお薦めショップ、アイスクリーム専門店のSan Remoでは巨大なアイスパフェを頂きました。
上海Elisabethの面々は、現地ファンの熱烈な歓迎を受けたようですよ。Mayaさんも23~26日に上海で観劇されるそうで、もしかすると今後上海でのコンサート等考えておられるのかなあとちょっと気になります。日本のことを忘れないで欲しいです!
"MOZART!"のウィーン再演版、まだキャストは全然分かりませんが、公演自体は見に行くつもりです。ツアー版が来日したら通います(笑)。もしMarkがColloredo役で来日したら、myuさんも通ってしまいそうですね。その時は是非留学の成果を駆使してドイツ語で話しかけてみて下さい! ウィーン・ミュージカル・コンサートも本当にまたやって欲しいです。ウィーン物に限定せず、MayaさんプロデュースのVoices of Musicalのような名曲揃いのミュージカルコンサートも見たいです。今ドイツ語圏では同じような演目が多くて、ファンだけでなく出演者の方もつまらなく感じているようです。日本で素敵な企画を用意して、本場でも見られないような豪華なキャスト達に思う存分力を発揮して貰いたいです!
今年は色々あって全くレポートが追いついていないのですが、myuさんに楽しんで頂ける報告をまたしたいと思っておりますので、時々覗いて頂けると嬉しいです。