1997年10月にWien（ウィーン）・Raimund Theaterにて世界初演の幕を開けた”Tanz der Vampire”（ダンス・オブ・ヴァンパイア）が、上演20周年となる2017年に再び生誕の地に帰ってきます。Vereinigte Bühnen Wien（VBW、ウィーン劇場協会）サイトのオーディション告知によると、2017年8月中旬リハーサル開始、9月末に初日の予定です。公演期間等の詳細は現時点では不明です。
オーディションはWienで2017年1月30、31日及び2月1日、ドイツ・Hamburg（ハンブルク）にて2017年2月2、3、4日に開催されます。コールバックは2017年2月27日から3月2日の間にWienで行われます。全ての役柄に募集がかけられていますが、恐らくDer Graf von Krolock役は2016年夏に伯爵デビューし、現在”Schikaneder”（シカネーダー）のタイトルロールを演じているMark Seibertか、Wien再演版に出演したDrew Sarichのどちらか、あるいは期間を区切って両方が演じるのではないでしょうか（あくまで個人的予想です）。
2016年12月現在、”Tanz der Vampire”はドイツではMünchen（ミュンヘン、2016年10月5日～2017年1月15日）及びStuttgart（シュトゥットガルト、2017年1月26日～7月30日）でのツアー公演、スイスではオリジナル演出によるSt. Gallen（ザンクト・ガレン、2017年2月18日～5月26日、オーディション要項によると2017年9月からの再演も予定）での上演が発表されています。ドイツツアー公演の主催者Stage Entertainmentの2016年8月18日付けのツアー公演キャスト交替に伴うオーディション告知では、2017年1月稽古開始で契約期間は1年の予定となっているので、Stuttgart公演後も2017年末までツアーが続く可能性があります。”Elisabeth”ツアー公演開催都市から類推すると、Hamburg（ハンブルク）、Frankfurt（フランクフルト）、Essen（エッセン）辺りが候補地になり得ると思われます。
これだけ多くの開催地があると、キャストのやりくり、特に伯爵役が気になります。Thomas Borchertは2017年前半は”Tanz der Vampire”St. Gallen公演と新作ミュージカル”Luther – Rebell Gottes”（ルター – 神の反逆者）のツアー、更に自身のコンサートツアー”Borchert Beflügelt”で大忙し。München公演に現在出演中のJan Ammannは、2017年7月から9月にかけてはドイツ・Tecklenburg（テクレンブルク）で”Rebecca”（レベッカ）に出演します。Drew Sarichは2017年4月はWienのRonacherで”Jesus Christ Superstar”、6月にはVolksoperで新作”Vivaldi – Die fünfte Jahreszeit”（ヴィヴァルディ – 第5の季節）の舞台に立つことになっています。Mark Seibertは2017年6月30日まで”Schikaneder”出演。昔からのTdVファンにはKevin Tarteの再登場が期待されており、ひょっとするとStuttgart公演に出るのではと思わせぶりな記事が地元紙Stuttgarter Zeitungに出ていましたが、仮に出演したとしても毎日舞台に立つということはなさそうです。ドイツとロシアで伯爵を演じているIvan Ozhoginも人気があります。
ドイツ語圏ではやや供給過剰の感がある”Tanz der Vampire”ですが、Wien公演の魅力は何と言っても厚みのあるオーケストラでしょう。ドイツツアー公演はWien版に慣れた耳には音が薄く電子的に聞こえました。ツアー版しかご覧になっていない方には、是非Wienでご覧頂きたいです。欲を言えば初演と同じRaimund Theaterでの上演を見たかったですが、劇場側としては再演時と同じRonacherでの公演の方がセットの手直しをせずに済んで楽なのかもしれません。伯爵以外のキャストも勿論気になります。20周年に相応しい力強い顔ぶれを期待しています！
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